2014年07月20日

不本意な敗戦 エルピーダメモリとルネサスが苦境に陥った背景


CMOS 555 / steve_lodefink


久しぶりに本を読みました。



また、ルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)が早期退職による人員削減を発表しました。

半導体業界に詳しかった自分として、日立製作所、三菱電機、NECの半導体部門が合併してできたエルピーダメモリ(現:マイクロンメモリジャパン)とルネサスが苦境に陥ったことに思う事は多々あります。

この本を読んで、ルネサスが苦境に陥った背景について2点、書いていきます。



1、1人あたりの売上高

人員面でもムダはありません。社員数は、2012年3月末時点で3173人。1人あたりの売上高は、おおよそ1億円です。日本の大手半導体メーカーのなかには、この数字が3000万円に届かない会社もあります。

不本意な敗戦 エルピーダの戦い 坂本幸雄著 P49より抜粋


この点はルネサスはどうでしょう?

ルネサス連結人員と売上高

2013年3月末 連結人員42,800名 2013年3月期通期売上高 8,831億円
→1人あたりの売上高 2,063万円

2014年3月末 連結人員27,200名 2014年3月期通期売上高 8,330億円
→1人あたりの売上高 3,062万円

まずは2年で人員が約15,000人も減っているのには、改めてビックリですね。驚くべき約15,000人の人員減らしをしても、1人あたりの売上高は3,062万円。エルピーダメモリ(以下、エルピーダ)程度までに持っていくには、更に約17,000人を減らして人員10,000名程度までにしないといけないという、茨の道。

事業や工場売却、早期退職募集等の人員減らしはまだ続くでしょう。


2、たすき掛け人事

そのひとつが、「たすき掛け人事」の横行です。
適材適所にはほぼ遠く、お互いのメンツを立てるためだけにポストをたくさんつくり、そこに日立とNECの出身者をそれぞれ押し込むのです。たとえば、半導体を設計する設計本部には、第1本部と第2本部があり、それぞれに本部長と副本部長がいました。ご賢察のとおり、本部長がNEC出身なら、副部長は日立出身で、お互いにポストを分け合っていたのです。

不本意な敗戦 エルピーダの戦い 坂本幸雄著 P81より抜粋


人員が多いことに関係することですが、ルネサスにも人員が多いため、お互いのメンツを立てるためにこのようなたすき掛け人事が横行していました。確かにたすき掛け人事で必要のないポストを作り、人員を保有し、挙句の果てには出身会社別の社内抗争に発展してしまう恐れも。

しかしながら、会社の合併を経験した自分にとって、たすき掛け人事は止むを得ないものかなと考えています。というのも、合併数年はまだ人事制度や給料制度、社内システム等も統合していないことから、出身会社を意識していました。そんな際に、特定の出身会社の人達が重要ポストを占めたなら、自分の出身会社は冷遇されていると不信感を抱きます。

ですから、会社の合併経験者の方に聞きたいのですが、「会社の合併ってうまくいったケースあるんかな」と。


以上2点、自分が感じたルネサスが苦境に陥った背景です。勿論、他にもたくさん理由はありますが。

今度は、早期退職絡みで気になった点が1つありました。


3、引き留めボーナス

アメリカには、「リテンション・ボーナス」というものがあります。リテンションは、日本語に訳すと「引き留め」になるのでしょうか。会社の鍵となる人材に対して、「会社を辞めずにいれくれたら、特別にボーナスを出そう」という取り決めです。

不本意な敗戦 エルピーダの戦い 坂本幸雄著 P195より抜粋


早期退職を募集すると優秀な人も辞めてしまうので、引き留めボーナスはとてもいいですが、日本では果たして導入できるでしょうか?

まとめ 早期退職の面談で書いた通り、早期退職対象者は人事や上司によってA(残って欲しい)、B(どちらでもよい)、C(辞めてほしい)にランク付けされます。引き留めボーナスは、Aの中で特に優秀な人を対象とするとした場合、他のAや残るBから不公平だとクレームがつくでしょう。
また、Aの中で特に優秀な人全員に引き留めボーナスをするのか、Aの中で特に優秀な人で辞めたいと言った場合に引き留めボーナスをするのかと、どちらにしても不公平と言われそうな制度です。


富士通は半導体事業から撤退をすると報道されているようで、半導体業界の先行きは怪しいですが、エルピーダのように外資になったとしても日本で雇用が継続すれば問題ないと考えています。

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posted by しいたけを at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 早期退職 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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